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私たちの主張
成瀬ダムの建設予定地
秋田県南東部、栗駒山のふもとの東成瀬村に建設が進められている成瀬ダムは、堤長690mの巨大ダムです(現在は国道342号線の付替道路の建設が行なわれており、2011年頃から本体工事か?)。

玉川ダム(秋田県)との比較
玉川ダムと比較すると、規模が大きいわりにはお金がかかり非効率です。
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玉川ダム |
成瀬ダム |
成瀬/玉川(倍) |
型 式 |
重力式 コンクリートダム |
ロックフィルダム |
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堤 高 |
100m |
113.5m |
1.14 |
堤頂長 |
441.5m |
690m |
1.56 |
堤体積 |
1,150,000 立法メートル |
11,958,000 立法メートル |
( 10.40 ) |
集水(流域)面積 |
287.0 平方キロメートル |
68.1 平方キロメートル |
0.24 |
湛水面積 |
8.3 平方キロメートル |
2.26 平方キロメートル |
0.27 |
総貯水量 |
254,000,000 立法メートル |
78,700,000 立法メートル |
0.31 |
有効貯水量 |
229,000,000 立法メートル |
75,200,000 立法メートル |
0.33 |
総事業費 |
1,220億円 |
1,530億円 |
1.25 |
有効貯水量の内訳
成瀬ダムの有効貯水量は以下のようになっています。

成瀬ダムの名目は一応「多目的ダム」(農業かんがい用水、水道水、治水、発電、河川流量の維持)になっていますが、実質的には「農業用水の確保」を目的としたダムです。下流の平鹿平野で水が不足しているとして、現在の毎秒15立法メートルの水を2倍の30立法メートル取水できるように計画され、平成17年度からは先行的に取水が行なわれています(平成16年度までの最大取水許可量14.8立法メートル/秒に対して、平成17年度より5月6日から5月20日までは最大取水許可量が30.29立法メートル/秒に引き上げられました)。
本当に2倍の水が必要か?
「減反が3分の1までおよんでいるのに、本当に2倍の水が必要か?」とは、多くの住民の素朴な疑問です。実際の運用では、最も水を使う代かき時でも(年間2週間程度)最大毎秒18~19立法メートルですんでいることがわかってきました。ポンプで地下水を汲み上げていた大雄地区の一部の田んぼにも十分にかんがい用水が行き渡るようになりました。下図からもわかるように毎秒15立法メートルをこえて取水している期間は5月の2週間だけです。年間365日のうちのたった14日の取水のために「2倍の水が必要」として巨大ダムを造るのでしょうか?

「米余り」によって生産調整(減反)面積はだんだん増えてきました。平鹿平野かんがい事業に該当する水田面積は現在8,540haありますが、生産調整によって実際に水稲を作付けしている面積は5,618haです。ピーク時に比べると3分の2以下となっています。少子高齢化等によって米の消費は減り続けている一方、穀物価格の高騰によって大豆や小麦、とうもろこしなどの転作作物への需要は高まりそうなので、かんがい用水を必要とする水稲作付面積が増えることはないでしょう。また、米作りも農業経営の法人化や集落営農の推進によって、土日だけでなく平日も代かき田植えが行なわれるようになり、かんがい用水も曜日に関係なく均等に利用される傾向になってきています。

洪水は150年に一度の大雨を想定、治水効果は雄物川下流でわずか数センチ
治水対策の必要をあげるとき、昭和22,23年の大洪水が引き合いに出されます。しかし、その後皆瀬川、雄物川は大幅に堤防整備が進みました。戦後の森林荒廃期の洪水をダム建設の根拠にするのは時代錯誤です。成瀬ダムができても最奥地で集水面積が小さいことから、雄物川水系全体でみれば治水効果はわずかでしかありません。国交省は、「150年に一度の大雨を想定」していると言いますが、貴重な森林を破壊して巨費を投じてのダム建設は「もったいない」と言わざるをえません。
清流あってこその「河川流量の正常な維持」
成瀬ダムの有効貯水量の3分の1を占めるのが、「河川流量の正常な維持」です。渇水期にダムに貯めた水を放流して川の生態系を維持しようというものですが、既存の皆瀬ダムの下流では、濁り水が雨の後永く続きます。流域住民は、「昔の清流に戻して」と訴えています。

<皆瀬川と成瀬川の合流点>
秋田県にはハタハタに代表される豊かな水産資源もあります。森から出るミネラル豊富な水を海まで運ぶことが大切です。全国では漁師たちが森に木を植える活動がさかんです。ダムで川をせき止めるべきではありません。
秋田県の費用負担は260億円
成瀬ダムは国直轄事業ですが、秋田県の負担も非常に大きなものです。「果たしてこれで済むのか」という心配もあります。これまでのダム建設をみると、計画の予想を大幅に越えて出費が続いています。たとえば、現在建設が進んでいる森吉山ダムは、工期が大幅に伸び、当初の建設予算900億円の2倍近い1700億円に膨らんでいます。ダム建設の宿命です。事前調査の時点ではなかった不具合が見つかっても、事業を中止するわけにはいかないからです。
成瀬ダムに関しても、地質の複雑さから工事が長期化する可能性が大きく、「1530億円ではできない、その倍のお金がかかる」という試算もあります。
秋田県の財政は危機的、無駄な成瀬ダムは中止を
秋田県の財政は、貯金(基金)をほとんど使い果たし、収入の4分の1以上を借金、また支出の3分の1近くは借金に関する返済となっています。少子高齢化が著しい本県においてまさに危機的状況であり、不急不要の事業を早急に見直さなければなりません。

<県政だより「か・だ・ろ akita」 5月号より引用>
私たちは、成瀬ダムは「不要な事業」の最たるものと考えていますが、「今の2倍の水が必要」という時代錯誤のこの巨大ダムについては、県民の総意として少なくても見直しが必要であると思います。
NHKは、4月21日「大返済時代~借金200兆円 始まった住民負担」を放映。全国各地でいま拡大しつづける「減っていく市からのサービス」、「ますます高くなる税負担や上下水道料金」などに苦しむ姿を映し出していました。どこも原因は無駄な公共事業でした。
豊かな森と清流は秋田県の宝
熊本県知事は長年の懸案となっていた川辺川ダムについて中止を県民に呼びかけました。「球磨川は熊本県の宝」だと訴えたのです。その背景には県民の粘り強い運動と県財政の逼迫がありました。全国の「無駄なダム」反対運動の高まりがありました。また、国政レベルでは超党派の国会議員でつくる「公共事業チェック議員の会」のバックアップもありました。国もダム事業をいよいよ見直さざるを得ないでしょう。今こそ、秋田の地元から「成瀬ダムは要らない」の声をあげていきましょう。







